東日本大震災を振り返って

14年前の今日、当園でも大きな揺れを感じました。

子どもたちは起きて寝巻から洋服に着替えていたり、排泄をしていたり、おやつを食べる準備をしていたり。まだ布団に寝ている子もいる時でした。

ガタガタと壁が揺れる音がして、大きな横揺れを感じました。

テーブルの下に身を隠すように子どもたちに伝え、揺れが収まるのを待ちました。

とてもとても長く感じました。

大きな揺れが収まった後も何度も余震が続きました。園の近隣一帯は停電になりました。

とにかく早く子どもたちを保護者のもとに帰さなくてはという思いと、続く余震に停電に、これからどうなるかわからない不安と、それでも子どもたちに不安を与えてはいけないという思いと、葛藤しながら保育をしていました。

電車が止まり、最後の引き渡しは21時を過ぎていました。

夜まで停電が続き、懐中電灯のわずかな光の中で子どもたちと保護者の方を待ちました。

東京方面から何時間もかけて歩いて迎えに来てくれた保護者の方もいらっしゃいました。

保護者同士で連絡を取り合うことができず、お母さんが迎えに来た後にお父さんが必死な顔で園にやってきて、そこでやっと我が子の無事を確認できたという方もいらっしゃいました。

 

あれから14年。

いつ首都直下型の地震が来るかわかりません。

寝巻を着て午睡することをやめました。

職員がいつでもどこでも連絡を取れるように保育中も携帯電話を所持することにしました。

減災教育普及協会の方に指導・助言してもらいながら避難訓練の見直しをしています。

 

園の耐震性は保証されています。しかし、それは「園舎が崩れにくい」ということ。

天井材や壁材の落下、ガラスの破損などは耐震性に含まれていません。

それから身を守るために、いわゆる“ダンゴムシ”をやめ、『カエルのポーズ』を子どもたちに教えています。

“ダンゴムシ”では揺れに耐えられず転がってしまいます。

上から落ちてくる物も見えず避けられません。

 

子どもが子ども自身で身を守る術を身につけ、被害を「減らす」。

月に一度の避難訓練も、来るとされている地震を想定したものにしています。

東京湾北部地震想定なら震度5強が30秒…30秒は体感だとだいぶ長く感じます。

 

今、園に通っている子どもたちは当時のことを知りません。

経験した大人たちが、その経験を次に活かす糧にし、風化されないよう伝えていかなければならないと思っています。